火山の灰上で滑走するサム・スムージーの挑戦
はじめに
タナ島にそびえるヤスル火山は、標高361メートルの小さな活火山です。1774年にキャプテン・クックが光に惹かれて上陸したことでも知られ、現在も観光客や冒険者を魅了し続けています。
サム・スムージーと奇想天外なアイデア
フリースタイルスキーのトップ選手サム・スムージーは、フランス・カプブレトンで仲間のザビエル・ド・ル・リュと過ごしていたとき、火山の灰の上でスキーを滑る映像を思い出し、ひらめきました。「熱帯の楽園でサーフィンの話をしていたら、キウイのスキーヤーが火山灰で滑っている映像を見て、すぐにやりたくなったんだ」と語ります。
北面(The North Face)との協力
このアイデアは、The North Face の協力で実現に向けて本格的なプロジェクトへと拡大。撮影チームと共に、バヌアツへ向かうことになりました。
現地での歓迎と文化
到着早々、サムは現地の人々の温かい歓迎に感動します。特にキャンプ場のフレッド一家は、ジャングルで採れた新鮮な食材で作る料理を振る舞い、サムたちを家族のように迎えてくれました。フレッドの息子フランキーは、装備を身に着けては場内を走り回り、笑いを提供してくれました。
火山への登頂
ジャングルを抜けると、灰で覆われた黒い平原が広がります。サムは「失われた世界に足を踏み入れたようだ」と感嘆し、風が強く吹く中、噴火の音と飛び散る溶岩岩に緊張感を覚えながら、単独で火口の縁まで登り切りました。
灰上スキーの挑戦
スキーを装着し、灰の斜面へと滑り降りる瞬間、サムは「雪ほど滑らかではないが、摩擦が大きく足腰に負担がかかる」と語ります。ザビエルはボードの方が摩擦が大きく、転倒してもすぐに立ち上がる姿が印象的でした。
機材への影響と撮影の苦労
灰はスキー板やカメラのレンズをすり減らし、ドローンは灰雲で機体が損傷。ゴーグルは視界がほとんど遮られました。撮影チームは機材のクリーニングに追われながらも、灰の斜面での映像を何度も撮り直し、迫力ある映像を収めました。
旅の総括
火山の規模は小さいものの、過酷な環境と機材の劣化に苦しみながらも、サムは「『もしも』という問いに答えるために挑戦し続けることが自分の原動力だ」と語ります。今回の経験は、スキーという枠を超えた新たな視点と、バヌアツの人々との絆を深める貴重なものとなりました。
サム・スムージーのフルストーリーは、最新号『Sidetracked Volume Nine』でご覧いただけます。




