スバールバル – 自由の旅
Longyearbyenでの出会い
「いいえ。」
ロングイヤービーンの流行りのバーに入ったとき、最初に地元の人と交わした会話はこれだった。私はただ夕食を取りたかっただけだ。「すみません?」と返すと、再び「いいえ。」
スウェーデン人の不機嫌な女性の噂は聞いていたが、冗談だろうと思った。「でも、6時半で店は空いているんです。」と訴えると、彼女は「みんな予約しているんです。」と答えた。
「みんな空いているんですか?」とさらに聞くと、しばらく考えた後にやっと「いいわ、座って」 と言われ、私はバーに座ってスバールバル初の味を待った。78度の緯度で冒険が始まるなら、ニューヨークのハイプロファイルなパーティーと同じくらいの緊張感があってもいい。
極北の寂しさと初めてのスノーモービル体験
冷たい空気は予想通りだったが、荒涼とした光景が印象的だった。通りを歩く人々はどこか反社会的で、私はそれでも自分の時間を楽しんだ。北極は甘くない先生で、厳しい体験を通じて「来たときの自分」から変わらせてくれる。
私は運転が得意ではなく、タクシーや地下鉄カードしか持っていない都会っ子だった。だからスノーモービルに乗るのは不安だったが、ブロンドでタフなガイドが「最初の15分でプロになる」と言ったので、信じてみた。
トーダレン渓谷を抜け、バレンツブルグへ向かう途中、写真を撮れないことに苛立ち、目でしっかり見ることの大切さを学んだ。急な坂を登ると、スピードとバランスを保つだけで頭が真っ白になる。
バレンツブルグでのロシア風ランチ
バレンツブルグに到着したとき、まるでシベリアに来たかのようだった。ウクライナ系の住民が多く、ロディナ(祖国)を誇りに思っていた。若い少女が出す伝統的なランチは、ビーツが抜けたボルシチだった。丘の上からはレーニン像が見守っていた。
Longyearbyenへの帰還と山岳ハイキング
帰路は凍った景色の中でスノーモービルの操作が困難を極め、ノルス神に祈りながら何とか山岳地帯を抜けた。
翌日はトロレンスタイン山へのハイキングを計画。エンジンなし、スノーシューだけで登ることにした。ガイドが雪上ブーツを渡し、まっすぐ上へと指し示すと、ノルス神がスノーモービルをくれた理由が分かった。
登り始めると、呼吸が思考に、思考が筋肉の燃焼に、燃焼が再び思考へと循環する。風が強くなり、雪が顔に打ち付け、太陽は灰色の雲に隠れた。幅12インチ、長さ20メートルの氷の橋を渡るとき、エゴに負けずにさらに100メートル進むかどうか葛藤したが、結局自分の足元を確かめて進んだ。
山頂近くで一人だけの孤独な時間を過ごし、自然と自分が同じく凍りつく感覚を味わった。そこにあるのは「頂上にたどり着くこと」ではなく「体験そのもの」だと実感した。
ハイカーとの不思議な会話
下山途中、同伴のハイカーに足の調子を尋ねたら、彼女は「いいえ」と答えた。さらに「ノルウェー人です」と付け加えた。
犬ぞり体験
次の日は乗客として犬ぞりに挑戦。黒く大きな犬のジミーにハーネスを付け、チームのリーダーであるラスカとスヌーテンに導かれながら、雪原を駆け抜けた。犬は寒さの中で自らの運命を受け入れ、飼い主への忠誠と愛情を示す。
白熊との遭遇
旅の最終日、氷上で白熊を目撃した。ズームレンズで眠る姿を捉えたが、雲が急に黒くなり、風が強まったため、すぐに撤退を余儀なくされた。白熊は氷上をゆっくりと近づいてきたが、射撃は避け、自然の尊厳を守る選択をした。
白い霧と雪の中で視界はほぼゼロ。極寒の中、スノーモービルはまるで盲目で走るかのようだった。心拍とアドレナリンが高まり、やがて光の筋が差し込み、ようやく安全な場所にたどり着いた。
「止まるな、時間がない!」とガイドの指示に従い、自然の厳しさと向き合いながら、白熊の姿は私の心に深く刻まれた。




